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日常感じたことを書きたい ケアマネのブログ

日常の感じたこと書いています。

アルツハイマー型認知症とは 症状と本人への対応方法

 

 

こんにちは ケアマネのみざいです。

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今日は認知症のアルツハイマー型認知症について書いていきます。

 

 

 

1.アルツハイマー型認知症の特徴

 

アルツハイマー型認知症とは、脳にアミロイドβという特殊なタンパク質がたまり、それが神経細胞を破壊して、脳が萎縮することで発症すると原因の一つとして考えられています。アミロイドβがたまる根本的原因は解明されていません。発症すると時間と共に脳の萎縮が進み、認知症状が徐々に進んでいきます。アセチルコリンなどを分泌する神経細胞が衰えて、脳内のアセチルコリンが減少して特に記憶に重要な海馬という部位が早期に障害されます。

 

※アセチルコリン=動植物中に含まれる塩基性物質。動物では主として神経組織に存在し,神経の興奮伝達物質として働く。

 

まずは記憶の障害が起こります。特に最近した事を思い出せなくなることは、しばしばアルツハイマー病の初期症状です。加齢と共に脳が変化し、ある事柄の詳細を思い出すことが難しくなることがあります。しかし、アルツハイマー病およびその他の認知症は、出来事全てが抜け落ちてしまいます。これらの症状は加齢に伴い自然に起こる症状ではありません。

物忘れの他に、アルツハイマー病の症状には次のようなものがあります。

 

  • 以前は簡単だったことができなくなる。(掃除、料理など)
  • 気性や人格の変化。友人や家族とコミュケーションを取らなくなる。
  • 自分の名前などの字が書けなくなる。
  • 場所、人、時間、日時が分からなくなる。

 

あなた自身、またはあなたの知っている人に認知症の症状が現れたときには、原因を発見するために早期に専門医の診断を受けることが大切です。

 

アルツハイマー型認知症と物忘れの違い

 

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2.アルツハイマー型認知症の原因

 

2-1.年齢

 

年をとるほど、認知症になりやすくなります。
日本では65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計され、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されています。

日本では高齢社会に向けた認知症の取組が今後ますます重要になります。
また、認知症は誰でもなりうると言われていますので、認知症への理解を深め、認知症の方や自分が認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる「共生」に取り組み、尊厳と希望を持って生きる、また認知症があってもなくても同じ社会でともに生きる社会を創っていくことが重要となります。

認知症は高齢者だけが患うものと思っている方が多いですが、若い世代でも発症することがあります。65歳未満の人が発症する認知症を総じて「若年性認知症」と言います。

若年性認知症は40代から発症する場合もあります。

若い方が物忘れ等の症状が現れても、年齢の若さから認知症を疑わなかったり、病院で診察を受けても、うつ病やストレスなどと間違われることもあり、認知症と診断までに時間がかかってしまうケースが多く見られます。

 

 

2-2.遺伝

若年性認知症の一部には家族に遺伝する認知症もあります。アルツハイマー型認知症の一部は遺伝すると言われています。検査で分かることもありますが、100%事前に分かる訳ではありません。家族が家族性アルツハイマー病になっていることが分かれば、親、兄弟にアルツハイマー型認知症にかかっている方がいない人よりも、自分も発症する確率が高まりますので早期発見・治療を心がけましょう。

2-3.生活習慣病

アルツハイマー型認知症の有病率は高齢になるほど高くなり、発症するのは女性に多い傾向があります。加齢が最大の要因ですが、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの基礎疾患があるとアルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβがたまりやすくなります。糖尿病の人はそうでない人に比べて発症するリスクが2倍になることが報告されいてます。寝不足やストレス、歯周病なども関連があるとされています。ただし根本的な病気になる原因は分かっていません。

5.アルツハイマー型認知症の症状

5-1.軽度認知症 MCIとは

物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。

軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。

  1. 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
  2. 本人または家族による物忘れの訴えがある。
  3. 全般的な認知機能は正常範囲である。
  4. 日常生活動作は自立している。
  5. 認知症ではない。

すなわち、記憶力に障害があって物忘れの自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものである場合です。しかし、軽度認知障害の人は年間で10~15%が認知症に移行するとされており、認知症の前段階と考えられています。

厚生労働省 e-ヘルスネットより

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-033.html

 

5-2.初期の症状

認知症の進行は人によりさまざまですが、アルツハイマー型認知症の初期には以下のような症状が目立ち始めることが多くあります。

 

初期段階から脳の記憶の場所である海馬が損傷されるため、物忘れが発生します。最近のことほど忘れる、部分的にではなく全体を忘れてしまうというもので、加齢による自然な物忘れには見られない特徴があります。

 

初期に見られる症状の代表例です。ただし、症状の現れ方や程度は人によってそれぞれ異なります。

  • 待ち合わせの約束で待ち合わせしたこと自体をまったく覚えていない。
  • 食事をしたことを覚えていない。
  • いつもしていたこと......できなくなる(料理や洗濯物をたたむ行為など)
  • 昼夜や日時、季節の取り違えがみられはじめます。
  • 料理がうまくできなくなるなど、手順や計画が必要な行動が難しくなってきます。
  • こうした症状は、初期の段階から二次的な症状へと移行してトラブルを引き起こし、ご本人や周囲の人々につらい思いをさせることもあります。例)財布を置き忘れたことを「盗まれた」と認識する「物盗られ妄想」「被害妄想」
  • 通い慣れた道で迷子になる
  • お金の取扱いや請求書の支払いに問題が生じる
  • 同じ質問を繰り返す
  • 普通の日常作業をこなすのに時間がかかるようになる
  • 物をなくしたり、おかしな場所に置き忘れたりする
  • 感情および人格の変化(怒りっぽい、無表情など)

 

 

 

5-3.中期の症状

 

いつも通っている喫茶店でも道に迷い、ご近所からも帰ってこられず警察に保護されたり、家の中でトイレの場所がわからなくなり排泄が間に合わなかったりなどします。

衣服の着脱の仕方、テレビのリモコンや照明のスイッチなどの使い方、お金の払い方など、簡単な生活上の動作ができなくなり介護が必要な場面が増えてきます。

本人は日常的にできていたことができなくなり周囲から責められると、自信や自尊心がとても傷つけられます。

しかし、言語能力の低下や怒られている理由も分からないのでつらい気持ちをはっきりと伝えられず、無気力や抑うつ、時には暴言、暴力行為などの二次的な症状につながりやすくなる時期でもあります。

  • 言語や論理的思考、感覚処理および意識的な思考を制御する脳の領域に障害が起こります。(怒りっぽくなる)
  • 家族や友人を認識しにくくなる
  • 新しいことを覚えられない(短期記憶ができない)
  • 複数の手順による作業(着替え、料理等)が困難になる
  • 新しい状況へ対応しにくくなる(環境の変化)
  • 衝動的行動(外に出ようとするなど)

 

 

5-4.後期の症状

この時期になると言葉を失いコミュニケーションをとることができなくなる事もあり、日常生活においてほとんどが介護が必要になってきます。

歩行能力、食事、排泄など、身体の基礎的な能力も衰え始め、生活の大部分で介護が必要になっていきます。

身体能力の低下による転倒や拘縮の予防、食事や水分不足に対する栄養支援、嚥下障害からの誤嚥性肺炎などのリスクも高くなります。10年ほどでこうした経過をたどるとされていますが、個人差は非常に大きいため、一概にあと○年とはいえません。

  • 体重減少(食事が摂れなくなることにより)
  • 嚥下困難(機能低下 誤嚥性肺炎のリスクも高まる)
  • うめき声をあげる(話せないことなどにより)
  • 排便・排尿障害(排泄をしている感覚が分からない)
  • コミュニケーション能力の喪失(言葉を失う)

 

 

6.治療法

 

早期発見が大切アルツハイマー型認知症は徐々に悪化するもの忘れではなく、入院等の環境で急に酷い状態で現れる場合もあります。記憶に障害がみられる場合、認知症を疑って早く受診をしましょう。現時点では、アルツハイマー型認知症の完治は出来ないとされていますが、早期に受診をすることで、進行を遅らせることができる場合もあります。早期発見と早期治療が大切です。

治療までの流れとして、まずは、かかりつけ医に相談しましょう。「何となくもの忘れが増えた」「認知症かもしれない」など日々の様子を伝えましょう。必要であればかかりつけ医から専門医に紹介状を書いてもらいます。

 

 

 

6-1.薬物療法

低下した脳の働きを改善するといわれるアリセプト、レミニール、リバスタッチ、脳細胞の損傷を防ぐとされるメマリーの4種類が抗認知症薬として使用されています。

これらは完治はできませんが、アルツハイマー型認知症の進行を改善させるとされています。

 

 

6-2.非薬物療法

アルツハイマー型認知症の方は自分が病気であることがわからないことが多いですが、それでも症状が進行し、日常でわからないこと、できないことが増えて家族から怒られることや物忘れが進んでいくと自信を失い、不安に苦しみます。

その中で本人が少しでも安心して過ごしてもらうために、周囲の人々はどのようにしたらよいのでしょうか。

怒らず優しく接することでかなり改善されます。(下記7.を参考に)

また、ご本人ができることをしっかりやっていただき、「私も役に立っている」と感じていただくのも良いでしょう。

 

 

7.アルツハイマー型認知症の対応方法

 

7-1.本人が生活しやすい環境をつくる

わかりにくいこと、わかりやすいことは、人によって違うので、確認しながら変えてみてください。例えば、トイレや部屋がわからない場合も、ドアに「トイレ」「本人の名前を」大きく書いたり、ノブの部分をわかりやすくするなどは、本人と確認しながら行ってください。

毎日メモを取るようにするなど忘れてもメモでわかるようにしておくのも良いです。

 

7-2.連絡先を常備し、周りに協力を求める

外出で迷いそうになったら、小型のGPSいつも使っている杖やカバンや服のポケットに入れておくなど対策をとりましょう。市町村によっては事前に認知症の届出をすることで迷子になった場合に地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に連絡がいくようなっています。可能ならば近所の人や民生委員などに徘徊があるという事を伝えて協力してもらいましょう。

 

7-3.話を繰り返しても聞いてあげる

短期記憶ができないので同じことを何度も繰り返し聞いたり話したりします。同じことを繰り返し聞かれると「さっき言ったでしょう」などと対応してしまいがちですが、本人は忘れてしまって真実を述べているだけです。

なので「さっきも言ったと」言われると本人は嫌な事を言われたと不快に思ったり、怒られたと感じます。理由はわからないが、この不快や怒られたという嫌な感覚だけが残り、不穏行為やうつ傾向に繋がる場合もあります。

そのため、介護者は繰り返す話題に怒らず、答えいることが大切です。

ずっと介護するのは介護者の負担になる場合があるので、違う話題に変えることで前の話題を忘れて同じ質問をされなくる事もあります。

その時々で対応方法を変えていくとその方にあった声かけや対応方法が分かってきますので色々試してみましょう。

 

7-4.否定せずに話を合わせる

物盗られ妄想や幻視などの訴えが起きている時は興奮している場合があります。本人は記憶がないので話していることは事実なので、否定すると、わかってもらえない事に腹を立てるだけになります。話しを合わせ一緒に探すなど 認知症の方が話していることを否定するのではなく肯定と優しさが大切です。

 

8.予防はどうすればいいのか

 

8-1.予防習慣を心がける

アルツハイマー型になる原因ははっきり分かっていませんが、動脈硬化の病変が進行に関与しているといわれています。なので生活習慣を見直すことで、予防につながるとされています。高血糖状態や喫煙、飲酒、運動不足、高血圧などは発症リスクを高めると言われています。認知症以外の生活習慣病予防にも繋がるので健康的な習慣が望ましいです。また運動・園芸などの社交的・趣味的活動をしている人、何ごとにも興味や好奇心を持っている人は認知症になりにくいと言われています。

 

8-2.睡眠不足を避ける

睡眠不足気味の人は、十分に睡眠がとれている人よりアルツハイマー型認知症になりやすいというデータがあります。アミロイドβは脳が活動した時に発生する老廃物の一種で脳が最も眠っている時に脳内から排出されるという性質を持っています。しかし睡眠不足になると、老廃物が除去出来ず蓄積されるようです。

アルツハイマー型認知症の原因とされている「アミロイドβ」には、高血圧や糖尿病などの生活習慣病も関連しているといわれています。生活習慣病を予防するためにも、しっかり睡眠をとるようにしましょう。

何時間寝れば良いのか」個人差はあるでしょうが、自分自身が寝て次の日快適になる時間を目安として1日6時間以上8時間未満の睡眠を確保するのが良いといわれています。

 

まとめ

 

認知症の方に接するの中で冷たくする、怒る、否定することが余計に進行を進め不穏状態を誘発することがあります。

例えば認知症の方がさっきご飯を食べたばかりで「お腹が減ったので何か食べさしてほし」と言うときは、本人とっては事実なのでそれを「何馬鹿なこと言っているのさっき食べたでしょう」と言いわれるとご飯を食べさせない気かと思い、怒ったり、家族から嫌われると思ったりします。これが何回も続くと鬱や暴言、暴力行為につながることもあります。また認知症の進行も進みます。なので対応は穏やかな態度で優しく声をかけることが大切です。何度も同じことを言われると介護する方も疲れるので食事以外の話題に変えてみるなどすると興味が別のところに向く場合もあります。

 

 

 

 

それではこのへんで